富山県で車を登録すると、ナンバーは基本的に「富山」。
県民にとっては当たり前ですが、県外の人からは「富山ナンバーは1種類だけなの?」と聞かれることがあります。
そこで今回は、富山ナンバーの歴史や、他のナンバーが存在しない理由について解説します。
目次
富山ナンバーとは?
富山ナンバーは“昔からある標準ナンバー”
「富山」ナンバーは、ご当地ナンバー制度よりずっと前からある、いわゆる従来型の地域名ナンバーです。
日本のナンバープレートはもともと運輸支局の管轄名を表示する仕組みで、「富山」もその一つ。
ちなみに私が幼いころ、表示は「富山」ではなく、「富」だけでしたね。
ご当地ナンバーは2006年に制度として始まりましたが、富山ナンバーはそれより前から続いている“ベースのナンバー”です。
富山ナンバーの地域範囲
富山ナンバーの対象地域は、富山県のほぼ全域です。
富山市、高岡市、射水市、氷見市、砺波市、小矢部市、南砺市、魚津市、黒部市、滑川市、立山町、上市町、入善町、 朝日町
つまり、富山県で車を登録すれば、基本的にすべて「富山」ナンバーになります。
「高岡ナンバー」があってもいいのではないかと思う人もいるでしょうが、現状は富山ナンバー一つのみです。
富山ナンバーが1種類のままの理由
1. ご当地ナンバーは“申請制”であり、富山県内から申請がなかった
ご当地ナンバーは、国が勝手に決めるものではなく、自治体が「導入したい」と申請して初めて検討される仕組みになっています。
導入の流れはざっくり言うと、
- 地域(市町村)が検討
- 住民アンケート
- 県を通じて国へ要望
- 国が審査して決定
富山県内では、 富山ナンバーを分割する、 新たに「〇〇ナンバー」を作るといったご当地ナンバー導入の動きが進まず、結果として「富山ナンバー1種類のまま」になっていると考えられます。
2. ご当地ナンバーには条件がある
ご当地ナンバーを導入するには、国が定めた一定の条件があります。
主なものは以下の通り。
- 経済圏としてまとまりがあること
- 広く認知された地域名であること
- 複数の市町村の集合であること
- 登録自動車が 10万台以上 であること(原則)
- 他の地域との人口・自動車数のバランスが崩れないこと
だから、仮に「高岡ナンバー」などを作ろうとしても、 対象にする市町村の組み方、自動車台数の基準、県内でのバランスなどをクリアする必要があって、簡単ではありません。
実際、全国でも条件調整が難しくて断念した地域は多くあります。
3. 富山県は「富山」の名前で県全体がまとまりやすい
富山の場合、
- 県名
- 主要都市名
- 地域ブランド名
これらがすべて「富山」で一致しています。
そのため、
- 「富山ナンバー」のままで十分ブランドとして成立している
- 「高岡」「砺波」などに分ける必要性が小さい
という事情もあります。
石川県が「金沢ナンバー」で観光都市名を前面に出したのとは対照的に、富山県は“富山”という名前自体が県のイメージと直結しているため、分割の動機が弱かったようです。
「高岡ナンバー」など他のナンバーはなぜ作られなかったのか
富山県西部(高岡・射水・氷見・砺波など)は「呉西(ごせい)」と呼ばれ、東部の「呉東(ごとう)」とは雰囲気が少し違う地域です。
また、富山県で富山市に次ぐ第二の人口の市ですから、「高岡ナンバーがあっても良さそう」と思う人もいるかもしれません。
しかし実際に導入するとなると、
- 対象自治体をどこまで含めるか
- 自動車台数が基準を満たすか
- 富山ナンバーとのバランス
- 住民の賛否
など、調整すべき点が多くて、「現状維持が現実的」という判断になった可能性が高いです。
富山県にご当地(図柄入り)ナンバーはある?
地域名は「富山」1種類ですが、富山県版図柄入りナンバーは導入されています。

富山県版図柄入りナンバーのポイント
- 立山連峰をモチーフにしたデザイン
- モノトーン(寄付金なし)とカラー(寄付金あり)の2種類
- 登録車・軽自動車の自家用が対象
- 既存番号のまま交換可能
地域の魅力発信を目的とした制度で、富山県も積極的に活用しています。
ご当地ナンバー導入要件の今後と富山県の可能性
ニュースなどを見ると、国は、人口減少地域でも導入しやすいように登録自動車数10万台以上などの要件を緩和する方向で検討しています。
これにより、
- これまで条件を満たせなかった地域
- 新たに地域名を名乗りたい自治体
でも導入しやすくなる見込みです。現時点で「高岡ナンバー」「砺波ナンバー」などの動きはありませんが、制度が緩和されれば、将来できるかもしれませんね。
まとめ:富山ナンバーは“1種類だけだけど、理由がある”
- 富山ナンバーは昔からある標準ナンバー
- 富山県内の車は基本すべて「富山」
- ご当地ナンバーは申請制で、県内に導入の動きがなかった
- 導入には条件があり、ハードルも高い
- 富山県には図柄入りナンバーはある
- 将来、新ナンバーが生まれる可能性はゼロではない
富山ナンバーが1種類なのは、制度・条件・地域事情が重なった結果。“何もしていないから”ではなく、理由があって今の形になっているのです。





